元不動産屋日記

元不動産屋のワンポイント解説集です

不動産一括査定サイトの「闇」とかしこい利用方法

不動産売却は、人生の中でも重要なイベントの一つです。高値で売却したいという思いは誰もが抱くものですが、売却経験が少ない人にとっては、どの不動産会社に依頼すればいいのか、相場はどのくらいなのかなど、不安要素も多く存在します。

近年、そんな不安を解消してくれるツールとして注目されているのが不動産一括査定サイトです。

複数の不動産会社に一度に査定依頼できるため、手間をかけずに相場を把握できるというメリットがあります。しかし、その一方でデメリットも存在し、使い方によっては後悔してしまう可能性もあります。

ここでは、不動産一括査定サイトの実情と、賢い利用方法について詳しく解説します。

メリット:手軽に相場を把握できる

不動産一括査定サイトを利用すれば、名前や住所、物件情報を入力するだけで、数分で複数の会社から査定結果を受け取ることができます。

従来の方法では、一社ずつ会社に問い合わせ、資料を取り寄せ、査定を依頼する必要がありました。しかし、一括査定サイトを使えば、この手間が大幅に省けます。

また、複数の査定結果を比較することで、相場を把握しやすくなります。これは、高値売却を実現するために非常に重要です。

デメリット:営業電話と情報の正確性

不動産一括査定サイトを利用すると、多くの場合、複数の不動産会社から営業電話がかかってきます。中には、断っても何度も電話をかけてくる悪質な業者も存在します。

また、査定額はあくまで参考値であり、必ずしも正確とは言えません。査定額だけに惑わされず、複数の会社と比較検討することが重要です。

さらに、個人情報漏洩のリスクも存在します。信頼できるサイトかどうかをしっかりと確認する必要があります。

賢い利用方法:リスクを回避してメリットを享受

不動産一括査定サイトのメリットを享受しながら、デメリットを回避するには、以下の点に注意しましょう。

  • 複数のサイトを利用する: 一つのサイトだけに頼らず、複数のサイトを利用することで、より多くの情報を得ることができます。
  • 匿名査定を利用する: 個人情報を入力せずに査定依頼できるサービスもあります。営業電話を避けたい場合は、このサービスを利用しましょう。
  • 個人情報の取り扱いについて確認する: サイト利用前に、個人情報の取り扱いについてしっかりと確認しましょう。
  • 査定額はあくまで参考にする: 査定額はあくまでも参考値であり、必ずしも正確とは言えません。複数の会社と比較検討し、納得できる価格で売却しましょう。
  • 複数の会社と比較検討する: 査定結果だけでなく、会社の評判や担当者の対応なども考慮して、最終的に依頼する会社を選びましょう。

不動産会社を選ぶポイント

不動産会社を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 実績: 過去の売却実績が豊富な会社を選ぶと安心です。
  • 資格: 宅地建物取引士などの資格を持っているか確認しましょう。
  • 対応: 担当者の対応が丁寧で、信頼できるかどうかが重要です。
  • 手数料: 手数料は会社によって異なります。複数の会社を比較して、できるだけ低い手数料で依頼できる会社を選びましょう。

まとめ

不動産一括査定サイトは、賢く利用すれば、不動産売却を成功させるための有効なツールとなります。メリットとデメリットを理解した上で、上記のポイントを参考に、自分に最適な不動産会社を選びましょう。

 

市街化調整区域とは?土地を買ってもいい?

市街化調整区域は、都市計画法によって定められた、原則として建物の建築ができない区域です。農地や森林などの自然環境を保全することを目的としています。

市街化調整区域のメリット

1. 土地価格が安い

市街化区域に比べて、土地価格が安いことが大きなメリットです。これは、市街化調整区域は開発が制限されているため、土地の需要が低いことが理由です。

2. 固定資産税が安い

固定資産税は、土地の評価額に基づいて課税されます。市街化調整区域は、市街化区域よりも土地の評価額が低いため、固定資産税も安くなります。

3. 都市計画税がかからない

都市計画税は、都市計画区域内の土地に課税される税金です。市街化調整区域は都市計画区域外なので、都市計画税はかかりません。

4. 緑豊かな環境

市街化調整区域は、開発が制限されているため、緑豊かな環境が残っていることが多いです。都会の喧騒から離れて、自然の中で生活したい方にとっては魅力的なエリアと言えるでしょう。

市街化調整区域のデメリット

1. 建築許可が得られるかどうか分からない

市街化調整区域では、原則として建物の建築が制限されています。建築許可を得るためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 道路、上下水道、電気、ガスなどのライフラインが整備されていること
  • 既存宅地等の建築基準法で定める要件を満たしていること
  • 農家の特例等の許可を受けていること

これらの条件を満たしていても、必ずしも建築許可が得られるとは限りません。

2. 資産価値が低い

市街化調整区域は、将来的な開発が不確実であるため、資産価値が低い傾向があります。そのため、将来的に土地を売却する場合、購入価格よりも低い価格でしか売却できない可能性があります。

3. 住宅ローンが利用できないケースがある

市街化調整区域の土地は、金融機関によっては住宅ローン

4. インフラが整っていない

市街化調整区域は、市街化区域に比べて、道路、上下水道、電気、ガスなどのインフラが整っていない場合があります。そのため、これらのインフラを整備するための費用が自己負担になる可能性があります。

5. 利便性が低い

市街化調整区域は、市街化区域に比べて、商業施設や公共施設が少ないなど、利便性が低い場合があります。そのため、買い物や通勤、通学などに不便を感じる可能性があります。

市街化調整区域の土地を買ってもいいか?

市街化調整区域の土地を購入するかどうかは、それぞれのメリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に判断する必要があります。

以下の点に注意しましょう

  • 将来的に家を建てる予定があるかどうか
  • 建築許可が下りる可能性があるかどうか
  • 資産価値の低下リスク
  • 住宅ローンの利用可否
  • インフラの状況
  • 住みやすさや利便性

市街化調整区域の土地を購入する場合

  • 以下の点について、事前に確認しておきましょう
  • 建築許可が下りるかどうか
  • 建築許可が下りる場合、どのような条件があるか
  • 周辺の環境
  • インフラの状況
  • 土地の価格

市街化調整区域の土地を購入する前に

  • 不動産業者に相談する
  • 自治体に相談する

市街化調整区域の土地に関する情報

まとめ

市街化調整区域の土地は、価格が安いなどのメリットがある一方、建築許可が下りない可能性があるなどのデメリットもあります。購入を検討する場合は、メリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に判断することが重要です。

不動産売却における囲い込みの手口と対策「対処法は?」

はじめに

不動産売却において、高く早く売却するためには、信頼できる不動産会社選びが重要です。しかし、悪質な不動産会社による囲い込みという問題が存在します。

囲い込みとは?

囲い込みとは、不動産会社が売主から依頼を受けた物件を、他の不動産会社に紹介せず、自社だけで買い主を見つけようと独占する行為です。

これは、両手取引(売主・買主双方から仲介手数料を得ること)を目的とした悪質な行為であり、売主にとって大きな損害となります。

囲い込みの手口

囲い込みの手口は様々ですが、以下のようなものが挙げられます。

  • レインズへの登録をしない

レインズとは、全国の不動産会社が物件情報を共有するシステムです。レインズに登録されていない物件は、多くの買主候補の目に触れることがないため、売却に時間がかかったり、価格が下がったりする可能性があります。

hidepower.hatenablog.com

  • 虚偽の情報を伝える

「すでに購入希望者があり、価格交渉は難しい」など、虚偽の情報を伝えて、売主を焦らせ、値下げを迫ったり、契約を急かしたりします。

  • 一般媒介契約を勧める

一般媒介契約は、複数の不動産会社に売却を依頼できる契約ですが、囲い込みを行う悪質な業者は、一般媒介契約を勧めることでレインズ登録をスキップしようとします。その結果、自社が物件を独占的に販売できるようにします。

囲い込み被害を防ぐために

囲い込み被害を防ぐためには、以下のことに注意しましょう。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼する

複数の不動産会社に査定を依頼することで、囲い込みをされているかどうかを判断しやすくなります。

  • レインズ登録証明書を発行してもらう

レインズ登録証明書は、物件がレインズに登録されていることを証明する書類です。発行してもらうことで、囲い込みを防ぐことができます。

  • 契約書の内容を詳しく確認する

契約書の内容を詳しく確認し、一般媒介契約になっていないことを確認しましょう。

囲い込み被害を受けた場合

囲い込み被害を受けた場合は、国土交通省や不動産流通機構に相談しましょう。

信頼できる不動産会社を選ぶためのポイント

  • レインズの登録状況を確認する

レインズの登録状況を聞くことで、その不動産会社が積極的に販売活動を行っているかどうかを確認できます。

  • 実績を調べる

過去の取引実績を調べることで、その不動産会社が売却を成功させているかどうかを確認できます。

  • 担当者の説明を聞いて納得する

担当者の説明を聞いて、納得できるかどうかが重要です。不明点は遠慮なく質問しましょう。

まとめ

囲い込みは、売主にとって大きな損害となる悪質な行為です。上記の対策を参考に、囲い込み被害を防ぎ、高く早く売却できるよう、信頼できる不動産会社を選びましょう。

参考情報

www.mlit.go.jp

その他

  • 本記事は、一般的な情報を提供するものであり、個別の案件に関するアドバイスではありません。
  • 不動産売却に関する詳細は、専門家に相談することをおすすめします。

レインズとは?不動産売却成功のための徹底解説

レインズは、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産業者専用の物件情報共有システムです。一般の消費者は利用できませんが、不動産売却において非常に重要な役割を果たします

1. レインズのメリット

  • 購入予定者への最大限の露出

レインズに物件情報を掲載することで、全国の不動産業者に物件情報を公開できます。多くの購入予定者に見つけてもらえる可能性が高くなり、早期売却につながります。

  • 適正価格の把握

レインズには、過去の取引事例が多数蓄積されています。類似物件の成約価格を参考にすることで、適正な売却価格を設定できます。

  • スムーズな取引

レインズ上で物件情報の共有ややり取りができるため、取引がスムーズに進みます。

2. レインズを活用した売却成功のためのポイント

  • レインズへの早期登録

専属専任媒介契約・専任媒介契約を締結した場合、不動産会社は物件情報を速やかにレインズに登録する義務があります。登録が遅れると、販売機会を逃す可能性があります。

  • 物件情報の充実

物件情報は、写真や間取り図、周辺環境情報など、できるだけ詳しく掲載しましょう。購入予定者にとって魅力的な情報は、早期売却につながります。

  • 囲い込みに注意

レインズに登録されている物件が、実際には売却済みまたは購入申し込み済みであるにもかかわらず、購入予定者に虚偽の情報を伝えて契約をさせようとする悪質な手口があります。不動産会社に確認し、登録証明書を取得するなど、囲い込みに注意しましょう。

hidepower.hatenablog.com

  • レインズ登録証明書の発行

レインズに物件情報が登録された際には、不動産会社からレインズ登録証明書を受け取りましょう。登録内容や登録日を確認することで、情報が正しく公開されていることを確認できます。

3. レインズを活用した賢い不動産売却

レインズは、不動産売却を成功させるために欠かせないツールです。上記のポイントを参考に、レインズを有効活用することで、希望条件に合う購入予定者を見つけ、スムーズに売却を進めることができます。

4. 不動産会社選びの重要性

レインズは不動産業者専用のシステムであり、一般消費者は直接利用できません。そのため、レインズを活用するには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。

  • レインズの登録状況や実績を調べる
  • 担当者の経験や知識を確認する
  • 複数の不動産会社を比較検討する

など、慎重に選ぶようにしましょう。

5. まとめ

レインズは、不動産売却を成功させるために非常に重要な役割を果たします。上記のポイントを参考に、レインズを活用した賢い不動産売却を目指しましょう。

参考情報

www.reins.or.jp

 

不動産屋に相続相談はNG!後悔しないための専門家選びと情報収集

相続は人生の中でも重要なイベントの一つです。しかし、多くの場合、専門知識がないまま手続きを進めることとなり、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。

特に注意したいのが、不動産屋への相続相談です。一見、相続に関連する知識を持っているように思えますが、実は多くのリスクが潜んでいます。

1. 不動産屋の目的は「売却」と「買い取り」

不動産屋が相続相談を受け付ける理由は、主に以下の2つです。

  • 相続した不動産を売却させ、仲介手数料を獲得する
  • あわよくば相続財産を安く買い取る

確かに、相続財産の中には売却が必要なものもあります。しかし、不動産以外にも様々な財産があり、それらを総合的に判断する必要があります

不動産屋は不動産以外の財産の扱いについては素人です。そのため、個々の状況に合わせた最適なアドバイスは期待できません。さらに、悪質な業者の中には、相場より安く買い取ろうとするケースもあります。

2. 専門家への相談が不可欠

相続手続きには、法律や税務に関する専門知識が必要となります。不動産屋に相談しても、根本的な問題解決には繋がらない可能性が高いです。

以下に、相続相談におすすめの専門家をご紹介します。

  • 税理士: 相続税に関する専門知識を持ち、財産全体の状況を把握した上でアドバイスを提供してくれる
  • 弁護士: 相続人間でのトラブル解決や、遺言書の作成・執行に関するアドバイスを提供してくれる
  • 司法書士: 不動産登記手続きに関する専門知識を持ち、名義変更などの手続きをサポートしてくれる

3. 自分に合った専門家を選ぶためのポイント

  • 経験豊富な専門家を選ぶ: 多くの相続案件を扱ってきた経験豊富な専門家は、様々なケースに対応することができます。
  • 費用を明確にする: 顧問契約や相談料など、事前に費用を確認しておきましょう。
  • 信頼できる専門家を選ぶ: 実際に会って話してみて、信頼できるかどうか判断しましょう。

4. 情報収集も大切

専門家に相談する前に、相続に関する基礎知識を身につけておくことも重要です。

  • 書籍を読む
  • セミナーに参加する
  • 行政機関の相談窓口を利用する

5. まとめ

不動産屋に相続相談をすることは、多くのリスクを伴います。後悔しないためにも、必ず専門家に相談しましょう。

自分に合った専門家を選び、情報収集をしながら、スムーズな相続手続きを進めましょう。

参考情報

www.zeiri4.com

www.bengo4.com

www.houterasu.or.jp

書籍

不動産売却時の成功を左右する!媒介契約の種類と選び方

 

人生の中でも大きなイベントである不動産売却。スムーズな売却を実現するためには、物件の査定や価格設定だけでなく、媒介契約の種類選びも重要です。

一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類ある媒介契約は、それぞれメリットとデメリットがあり、最適な契約方法は物件や売主様の状況によって異なります。

1. 媒介契約(仲介契約)とは?

媒介契約は、不動産売却を希望する売主と、売却活動を行う不動産会社との間で締結する契約です。契約内容は、媒介方法、販売活動内容、仲介手数料など、売却活動に関する重要な事項を定めています。

不動産を売却する際には、媒介契約を結ぶことが一般的ですが、その種類によって条件や特典が異なります。ここでは、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介のそれぞれの特徴について解説します。

1. 一般媒介

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に依頼する形態です。以下に、その特徴をまとめました。

  • 自由度が高い: 買い主を自ら見つけた場合でも契約できます。
  • レインズ登録義務なし: 特定の登録が必要ありません。
  • 報告義務がない: 販売状況の報告が求められません。
  • 営業活動が分散する: 複数の会社が営業活動を行うため、集中力が低下します。

ただし、一般媒介の場合はレインズ登録義務がないとはいえ、まともな不動産業者は一般媒介であっても必ずレインズに登録します。

 

hidepower.hatenablog.com

2. 専任媒介

専任媒介契約は、1社にのみ仲介を依頼する形態です。以下に、その特徴をまとめました。

  • 囲い込みリスクが少ない: 買主を見つけた場合でも、契約が可能です。
  • レインズ登録義務あり: 不動産情報の登録が必要です。
  • 報告義務がある: 2週間に1回、販売状況を報告する義務があります。
  • 販売活動が集中する: 1社に委託するため、効率的な営業活動が可能です。
  • 特典がある場合がある: 専任契約ならではの割引や特典が得られることがあります。

3. 専属専任媒介

専属専任媒介契約は、1社にのみ仲介を依頼し、自力で買主を見つけた場合でも契約ができません。以下に、その特徴をまとめました。

  • 自力買主は契約不可: 買主を見つけても、契約できません。
  • 囲い込みリスクが少ない: 複数の会社に委託せず、1社に限定するため、リスクが低減します。
  • 報告義務がある: 週に1回、販売状況を報告する義務があります。
  • 最も集中的な活動: 1社に限定するため、最も集中的な営業活動が期待できます。
  • 割引や特典がある: 専任媒介よりもさらに割引や特典が得られる場合があります。

2. あなたに最適な媒介契約は?

2.1 人気物件の場合

  • 一般媒介:短期間で売却できる可能性が高い
  • 複数の不動産会社から提案を受けられる
  • 競争原理により、高値売却が期待できる

2.2 一般的な物件の場合

  • 専任媒介:1社に集中して売却活動を行ってもらえる
  • 販売状況を定期的に報告してもらえる
  • 囲い込みリスクが少ない

2.3 売却を急ぎたい場合

  • 専任媒介:1社に集中して売却活動を行ってもらえる
  • 販売状況を定期的に報告してもらえる
  • 早期売却に向けた積極的な提案を受けられる

2.4 売却価格を重視する場合

  • 専任媒介:1社に集中して売却活動を行ってもらえる
  • 囲い込みリスクが少ない
  • 市場調査に基づいた適切な価格設定をしてもらえる

3. 媒介契約に関する注意点

媒介契約を締結する前に注意すべき点があります。以下に、媒介契約に関する重要なポイントをご紹介します。

1. 契約内容の理解

契約書の内容は十分に理解しておくことが重要です。契約条件や費用、特典などを見逃さず確認しましょう。

2. 複数の不動産会社を比較

複数の不動産会社の提案や条件を比較検討することで、自身に最適な条件やサービスを見つけることができます。じっくりと検討しましょう。

3. 不明点の解消

契約書に書かれた内容や条件に疑問や不明点があれば、遠慮せずに不動産会社に確認しましょう。納得のいくまで質問することが大切です。

4. 書面での契約

口頭での約束ではなく、必ず書面での契約を締結しましょう。書面での契約は後々トラブルを防ぐためにも重要です。

5. 囲い込みに注意

契約をする不動産会社によって、囲い込みのルールや条件が異なります。自身が買主を見つけた場合でも、契約できるかどうかをしっかりと確認しましょう。

これらのポイントを押さえて、安心して不動産売却の手続きを進めることが大切です。

5. まとめ

不動産売却を成功させるためには、物件や売主様の状況に最適な媒介契約を選ぶことが重要です。各媒介契約の特徴を理解し、メリットとデメリットを比較検討した上で、納得できる契約を締結しましょう。

 

不動産売却時のトラブル「よくある3つのパターン」

人生の中でも大きなイベントである不動産売却では、知識不足や不注意によって思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

本記事では、不動産売却時に起こりやすい3つのトラブルについて、詳細な解説と対策を分かりやすく説明します。

1. 重要事項説明に関するトラブル

重要事項説明書は、不動産売買における最重要書類のひとつですが、意外と間違っている場合があったり、理解していないとトラブルにつながる項目もあります。

1.1 よくあるトラブル事例

  • 説明内容が誤っていたり、重要事項が省略されていた
  • 専門用語が多くて内容が理解できなかった
  • 説明を十分に聞く時間がないまま契約を迫られた

1.2 トラブルを防ぐための対策

  • 契約前に必ず重要事項説明を受ける
  • 内容がよく理解できない場合は、遠慮なく質問する
  • 説明内容をメモを取る
  • 不明点は契約前に解消する

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

売買契約書と重要事項説明書を、契約当日に交付する不動産業者が多いのですが、これは必ず事前に請求しておいてください。おそくとも2~3日前に受け取り、その内容をせいさしておくべきです。

また法律によって、重要事項説明は、宅地建物取引士が行うことが定められています。重要事項説明の前に、宅建士証の提示があるかどうかも確認してください。

上記をふまえ、内容を理解し、納得してから契約してください。

よくわからないままとりあえず了解してしまう売主が多いので、絶対に気をつけてください。

2. 媒介契約に関するトラブル

媒介契約とは、不動産業者に仲介を依頼する契約のことです。

2.1 よくあるトラブル事例

  • 媒介契約の種類や内容を十分に理解せずに契約してしまった
  • 媒介手数料が高額だった
  • 契約期間中に他社で売却してしまった
  • 囲い込み行為をされた

「囲い込み行為」については、以下の記事を参照してください。

realestate-mag.com

2.2 トラブルを防ぐための対策

  • 媒介契約の種類を理解した上で、自分に合ったものを選ぶ
  • 媒介手数料の内容を詳しく確認する
  • 複数の不動産会社を比較検討する
  • 囲い込み行為に注意する

媒介契約には3つの類型があります。この点をまず押さえてください。

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

  • 媒介契約には、専属媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類がある
  • 媒介手数料は、不動産会社によって異なる
  • 契約期間は、長ければ長いほど有利とは限らない
  • 複数の不動産会社を比較検討することで、より良い条件で売却できる可能性が高まる
  • 囲い込み行為は、違法行為である

3. 売買契約解除に関するトラブル

不動産売買契約は、一定の期間、売主・買主の双方から解除することができます。この点を押さえておき、契約締結プロセスを慎重にすすめる必要があります。

その他契約解除に関する知識を整理しておかないと、思わぬトラブルにつながります。

売買契約そのものについての注意点は、以下の記事で解説しています。

hidepower.hatenablog.com

3.1 よくあるトラブル事例

  • ローン特約の期限内にローン審査に通らなかった
  • 契約内容に誤りがあった
  • 売主が契約解除に応じない
  • 手付金を返還してもらえない

3.2 トラブルを防ぐための対策

  • ローン特約の期限を余裕を持って設定する
  • 契約内容は慎重に確認する
  • 不明点は契約前に解消する
  • トラブル発生時は、早めに専門家に相談する

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

  • ローン特約は必ず余裕を持って設定し、延長の方法を契約書に盛り込む
  • 契約内容は、専門家に確認してもらう
  • 契約書は、双方署名・捺印の上、保管する
  • トラブル発生時は、速やかに弁護士などの専門家に相談する

一般に、弁護士の法律相談は30分5000円程度で受け付けてくれるケースが多く、比較的気軽に利用できます。

その他、不動産売却時に注意すべき点

  • 不動産会社選びは慎重に行う
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 相場を把握する
  • 必要書類を事前に準備する

これらの点に注意することで、トラブルを未然に防ぎ、安心して不動産売却を進めることができます。