元不動産屋日記

元不動産屋のワンポイント解説集です

不動産売買契約における注意点①必ず見たいポイント

はじめに

不動産売買契約は人生の中でも大きな買い物の一つであり、契約内容をしっかりと確認しておくことが非常に重要です。しかし、契約書の内容は専門用語が多く、初めて見る人にとっては理解しにくいものです。

そこで、この文書では、不動産売買契約における主な注意点について、解説していきます。

1. 契約書の内容を事前に確認する

不動産売買契約書には、以下の重要な事項が記載されています。ここでは、絶対押さえたい超重要ポイントから順に解説していきます。

契約書の後ろの方に書かれている項目も多いので、注意深く確認してください。

1. 手付金

手付金は、契約締結時に買主から売主に支払われる金銭です。契約が解除された場合、手付金の扱いによって、買主と売主の損害が大きく変わってきます。

  • 解約手付

一般的な不動産売買契約書では、手付金は解約手付として扱われます。解約手付の場合、買主が契約を解除すると手付金を放棄することになり、売主が契約を解除すると手付金の倍額を支払わなければなりません。

  • 手付解除できる期間

手付解除できる期間は、契約書によって異なります。

 

* 個人間契約:日付で指定
* 業者間契約:引き渡しまでが一般的

 

2. 売買対象面積

不動産売買契約書では、売買対象となる土地や建物の面積が記載されています。しかし、登記簿上の面積と実際の面積が異なる場合があります。間違っている場合があるので、必ず登記簿と付き合わせて確認します。

  • 公簿面積と実測面積

登記簿上の面積は公簿面積、実際の面積は実測面積と呼ばれます。公簿面積と実測面積が異なる場合、差額分の代金はどうなるのか、契約書で明確にしておく必要があります。

その点を踏まえてきっちり記載されているか確認しておいてください。

  • 確定測量図

土地の境界線が確定していない場合は、測量士立ち会いのもと、境界標を設置する必要があります。また、確定測量図を取得しておくことも重要です。

3. 契約不適合責任

契約不適合責任とは、売買対象物件が契約内容に適合していない場合、売主が負う責任です。

  • 告知義務

売主は、シロアリ被害、雨漏り、建物の構造上の欠陥など、物件の隠れた瑕疵について買主に告知する義務があります。

  • 責任期間

契約不適合責任の期間は、物件の種類や品質によって異なります。

 

* 個人:3ヶ月程度
* 宅建業者:1年以上

 

4. その他

契約書の内容は、売主と買主の合意に基づいて自由に定めることができますが、宅地建物取引業法では、重要事項説明と呼ばれる説明を売買契約締結前に書面で行うことを義務付けています。重要事項説明書には、契約内容の重要なポイントが分かりやすくまとめられていますので、契約前に必ず内容を確認しましょう。

 

  • 契約書の内容を事前にしっかり確認
  • 業者任せにせず、自らの目でチェック
  • 不明点は専門家に相談

ここからは、重要ポイントをさらに深掘りしていきましょう。

2. 特約に注意する

特約とは、契約書に個別に定められる条項です。一般的な契約書には記載されていない、物件や取引に特有の条件などを定めるために用いられます。

特約には、以下のようなものがあります。

  • 買い替え特約:買主が現在の住居を売却し、その売却代金で新居を購入する際に、新居の引き渡し時期を猶予する特約
  • ローン特約:買主が住宅ローンを利用する際に、ローン審査が通らなかった場合に契約を解除できる特約
  • 修繕特約:物件に修繕が必要な場合、売主が修繕を行う特約

特約は、契約内容を大きく左右する可能性がありますので、内容をよく理解した上で署名捺印するようにしましょう。

3. 専門家のアドバイスを受ける

不動産売買契約は、法律上の様々な権利義務が発生する重要な契約です。内容を理解するのが難しい場合は、弁護士や宅地建物取引士などの専門家に相談することをおすすめします。

4. その他の注意点

  • 契約前に必ず物件を現地確認する
  • 不明な点は必ず質問する
  • 契約書は必ず二通以上作成する
  • 署名捺印前に内容をよく確認する

5. まとめ

不動産売買契約は、高額な取引を伴う重要な契約です。契約前にしっかりと内容を確認し、不明点は専門家に相談するなど、慎重に進めることが重要です。

参考資料

以下の記事も参考になります。

hidepower.hatenablog.com