元不動産屋日記

元不動産屋のワンポイント解説集です

不動産売却時の成功を左右する!媒介契約の種類と選び方

 

人生の中でも大きなイベントである不動産売却。スムーズな売却を実現するためには、物件の査定や価格設定だけでなく、媒介契約の種類選びも重要です。

一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類ある媒介契約は、それぞれメリットとデメリットがあり、最適な契約方法は物件や売主様の状況によって異なります。

1. 媒介契約(仲介契約)とは?

媒介契約は、不動産売却を希望する売主と、売却活動を行う不動産会社との間で締結する契約です。契約内容は、媒介方法、販売活動内容、仲介手数料など、売却活動に関する重要な事項を定めています。

不動産を売却する際には、媒介契約を結ぶことが一般的ですが、その種類によって条件や特典が異なります。ここでは、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介のそれぞれの特徴について解説します。

1. 一般媒介

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に依頼する形態です。以下に、その特徴をまとめました。

  • 自由度が高い: 買い主を自ら見つけた場合でも契約できます。
  • レインズ登録義務なし: 特定の登録が必要ありません。
  • 報告義務がない: 販売状況の報告が求められません。
  • 営業活動が分散する: 複数の会社が営業活動を行うため、集中力が低下します。

ただし、一般媒介の場合はレインズ登録義務がないとはいえ、まともな不動産業者は一般媒介であっても必ずレインズに登録します。

 

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2. 専任媒介

専任媒介契約は、1社にのみ仲介を依頼する形態です。以下に、その特徴をまとめました。

  • 囲い込みリスクが少ない: 買主を見つけた場合でも、契約が可能です。
  • レインズ登録義務あり: 不動産情報の登録が必要です。
  • 報告義務がある: 2週間に1回、販売状況を報告する義務があります。
  • 販売活動が集中する: 1社に委託するため、効率的な営業活動が可能です。
  • 特典がある場合がある: 専任契約ならではの割引や特典が得られることがあります。

3. 専属専任媒介

専属専任媒介契約は、1社にのみ仲介を依頼し、自力で買主を見つけた場合でも契約ができません。以下に、その特徴をまとめました。

  • 自力買主は契約不可: 買主を見つけても、契約できません。
  • 囲い込みリスクが少ない: 複数の会社に委託せず、1社に限定するため、リスクが低減します。
  • 報告義務がある: 週に1回、販売状況を報告する義務があります。
  • 最も集中的な活動: 1社に限定するため、最も集中的な営業活動が期待できます。
  • 割引や特典がある: 専任媒介よりもさらに割引や特典が得られる場合があります。

2. あなたに最適な媒介契約は?

2.1 人気物件の場合

  • 一般媒介:短期間で売却できる可能性が高い
  • 複数の不動産会社から提案を受けられる
  • 競争原理により、高値売却が期待できる

2.2 一般的な物件の場合

  • 専任媒介:1社に集中して売却活動を行ってもらえる
  • 販売状況を定期的に報告してもらえる
  • 囲い込みリスクが少ない

2.3 売却を急ぎたい場合

  • 専任媒介:1社に集中して売却活動を行ってもらえる
  • 販売状況を定期的に報告してもらえる
  • 早期売却に向けた積極的な提案を受けられる

2.4 売却価格を重視する場合

  • 専任媒介:1社に集中して売却活動を行ってもらえる
  • 囲い込みリスクが少ない
  • 市場調査に基づいた適切な価格設定をしてもらえる

3. 媒介契約に関する注意点

媒介契約を締結する前に注意すべき点があります。以下に、媒介契約に関する重要なポイントをご紹介します。

1. 契約内容の理解

契約書の内容は十分に理解しておくことが重要です。契約条件や費用、特典などを見逃さず確認しましょう。

2. 複数の不動産会社を比較

複数の不動産会社の提案や条件を比較検討することで、自身に最適な条件やサービスを見つけることができます。じっくりと検討しましょう。

3. 不明点の解消

契約書に書かれた内容や条件に疑問や不明点があれば、遠慮せずに不動産会社に確認しましょう。納得のいくまで質問することが大切です。

4. 書面での契約

口頭での約束ではなく、必ず書面での契約を締結しましょう。書面での契約は後々トラブルを防ぐためにも重要です。

5. 囲い込みに注意

契約をする不動産会社によって、囲い込みのルールや条件が異なります。自身が買主を見つけた場合でも、契約できるかどうかをしっかりと確認しましょう。

これらのポイントを押さえて、安心して不動産売却の手続きを進めることが大切です。

5. まとめ

不動産売却を成功させるためには、物件や売主様の状況に最適な媒介契約を選ぶことが重要です。各媒介契約の特徴を理解し、メリットとデメリットを比較検討した上で、納得できる契約を締結しましょう。