はじめに
住宅購入検討時に、私道に接している物件は購入すべきかどうか悩むケースがよくあります。一般的に、私道は公道と比べてデメリットが多いと考えられがちです。しかし、状況によってはメリットも存在します。
本記事では、私道物件購入を検討する際に知っておくべきポイントを、メリット・デメリット、注意点の3点に分けて詳しく解説します。
1. 私道物件のメリット
- 価格が安い:公道に接する物件と比べて、私道物件は価格が安い傾向があります。これは、私道特有のデメリットを嫌う購入者が少ないため、価格競争が起きにくいことが原因です。
- 固定資産税が安い:私道は公道と比べて評価が低いため、固定資産税も安くなります。これは、固定資産税の評価額は、道路の幅員や種類によって決まるためです。
- 日当たりや風通しがよい:私道の場合、電柱や信号機などの設置がないため、公道に接する物件よりも日当たりや風通しがよい場合があります。
- 静かな環境:交通量の少ない私道の場合、公道に接する物件よりも静かな環境で生活することができます。
2. 私道物件のデメリット
- 維持管理費が必要:私道は基本的に所有者が維持管理する必要があります。そのため、道路の補修や清掃などの費用を自己負担する必要があります。
- 通行制限がある:私道によっては、通行できる車両の種類や時間帯が制限されている場合があります。
- 権利関係が複雑:私道は複数の所有者によって共有されている場合が多く、所有権関係が複雑な場合があります。
- 売却時の難易度が高い:私道特有のデメリットを理解していない購入者は少ないため、売却時の難易度が高くなります。
3. 私道物件を購入する際の注意点
- 道路の種類を確認する:私道には、1指定道路、開発道路、その他の3種類があります。1指定道路と開発道路は、建築基準法上の道路として認められており、比較的安心して購入できます。一方、その他の私道は、建築基準法上の道路として認められていない場合があり、購入には注意が必要です。
- 持分を確認する:私道は複数の所有者によって共有されている場合が多いため、自分の所有する持分を確認する必要があります。持分が少ない場合は、通行や駐車などの権利が制限される可能性があります。
- 通行掘削の承諾書を確認する:持分がない場合でも、通行掘削の承諾書があれば、給排水管などの埋設工事を行うことができます。通行掘削の承諾書の内容をよく確認し、問題がないことを確認しましょう。
- 周辺環境を確認する:周辺の住民とのトラブルがないかどうか、また、地域の治安状況なども確認しましょう。
まとめ
私道物件は、価格が安い、固定資産税が安い、日当たりや風通しがよいなどのメリットがある一方で、維持管理費が必要、通行制限がある、所有権が複雑、売却時の難易度が高いなどのデメリットもあります。
私道物件を購入する際には、上記で紹介した注意点などを参考に、慎重に検討することが重要です。