元不動産屋日記

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不動産購入時に注意したい「崖条例」について

 

不動産購入に際して、気をつけたいポイントの一つに崖条例があります。今回は、崖条例について詳しく解説していきます。崖条例は、建物が崖に建っている場合に関わる法律です。トラブルを避けるために、注意しておきたいポイントを確認しましょう。

不動産購入を検討している方はもちろん、すでに崖条例に関するトラブルを抱えている方の参考になる内容も含んでいます。

崖条例トラブルの原因

崖条例に関するトラブルは、主に以下の原因で発生します。

  • 崖条例の内容を理解していない

崖条例は、都道府県によって内容が異なるため、購入前にしっかりと調査する必要があります。しかし、多くの場合、購入者は崖条例の内容を十分に理解していないまま、トラブルに巻き込まれてしまいます。

  • 擁壁の状態が悪い

擁壁は、崖の崩壊を防ぐために重要な役割を果たします。しかし、経年劣化によるひび割れや傾きなどの不具合があると、崖条例に抵触する可能性があります。

  • 違法な擁壁を築造している

建築基準法や崖条例に基づいていない違法な擁壁を築造すると、行政指導や強制撤去の対象となる可能性があります。

  • 隣地とのトラブル

崖の境界線などが明確でない場合、隣地とのトラブルが発生する可能性があります。

  • 業者が崖条例を把握していない

崖条例の内容は、都道府県によって異なります。そのため、他府県の業者が販売しているケースなどで、崖条例をきちんと把握していないケースがあります。

こういった点を念頭に置いて、怪しい場合は自分でも崖条例による規制の内容を、再調査するようにしてください。

崖条例トラブルの対策

崖条例に関するトラブルを回避するためには、以下の対策が有効です。

  • 購入前に崖条例の内容をしっかりと調査する

不動産を購入する前に、必ずその地域の崖条例の内容を調査しましょう。崖条例に関する情報は、各都道府県のホームページなどで確認できます(都道府県の条例等で規制されているため)。

不明点は、市町村の都市計画課などで調査すればわかります(部署名は市町村によって違うので、受付で「崖条例について知りたい」と尋ねてください)。

  • 擁壁の状態を専門業者に調査してもらう

購入を検討している物件に擁壁がある場合は、専門業者に状態を調査してもらいましょう。

  • 違法な擁壁がないか確認する

購入を検討している物件に擁壁がある場合は、違法な擁壁がないか確認しましょう。古い擁壁の場合、現在の法令に合致していない場合もあります。

  • 隣地との境界線を明確にする

購入前に、隣地との境界線を明確にしておきましょう。段差(崖)が敷地内にある場合、都道府県によっては崖条例の規制を受けない事もあります。こういった点も調査してください。

現地調査のポイント

崖条例に関するトラブルを回避するためには、購入前に現地調査を行うことが重要です。現地調査では、以下のポイントに注意しましょう。

  • 崖の高さを測定する

一般的に、崖条例では、崖の高さが2メートルを超えている場合に規制が設けられています。崖の高さを測定し、崖条例に抵触していないか確認しましょう。

  • 擁壁の状態を確認する

擁壁にひび割れや傾きなどの不具合がないか確認しましょう。

重要事項説明の注意点

崖条例に関する内容は、重要事項説明で説明する必要があります。重要事項説明では、以下の点に注意しましょう。

  • 崖条例の内容を具体的に説明する

崖条例の内容を具体的に説明し、購入者が理解できるようにしましょう。

  • 崖条例に抵触する可能性がある場合は、より詳しい内容を確認する

購入を検討している物件が崖条例に抵触する可能性がある場合は、その旨を説明してもらい、どういった規制があるのかを具体的に確認しましょう。場合によっては、

  • 違法な擁壁を築造した場合の責任について説明する

違法な擁壁を築造した場合の責任について説明しましょう。

まとめ

崖条例に関するトラブルは、事前にしっかりと調査と確認を行うことで防ぐことができます。また、悪質な業者に騙されないよう、注意する必要があります。

本記事が、崖条例に関するトラブルを回避し、安心して不動産を購入する際の参考になれば幸いです。

その他の買ってはいけない土地について、以下の記事で解説しています。

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