人生の中でも大きなイベントである不動産売却では、知識不足や不注意によって思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
本記事では、不動産売却時に起こりやすい3つのトラブルについて、詳細な解説と対策を分かりやすく説明します。
1. 重要事項説明に関するトラブル
重要事項説明書は、不動産売買における最重要書類のひとつですが、意外と間違っている場合があったり、理解していないとトラブルにつながる項目もあります。
1.1 よくあるトラブル事例
- 説明内容が誤っていたり、重要事項が省略されていた
- 専門用語が多くて内容が理解できなかった
- 説明を十分に聞く時間がないまま契約を迫られた
1.2 トラブルを防ぐための対策
- 契約前に必ず重要事項説明を受ける
- 内容がよく理解できない場合は、遠慮なく質問する
- 説明内容をメモを取る
- 不明点は契約前に解消する
具体的には、以下のような点に注意しましょう。
売買契約書と重要事項説明書を、契約当日に交付する不動産業者が多いのですが、これは必ず事前に請求しておいてください。おそくとも2~3日前に受け取り、その内容をせいさしておくべきです。
また法律によって、重要事項説明は、宅地建物取引士が行うことが定められています。重要事項説明の前に、宅建士証の提示があるかどうかも確認してください。
上記をふまえ、内容を理解し、納得してから契約してください。
よくわからないままとりあえず了解してしまう売主が多いので、絶対に気をつけてください。
2. 媒介契約に関するトラブル
媒介契約とは、不動産業者に仲介を依頼する契約のことです。
2.1 よくあるトラブル事例
- 媒介契約の種類や内容を十分に理解せずに契約してしまった
- 媒介手数料が高額だった
- 契約期間中に他社で売却してしまった
- 囲い込み行為をされた
「囲い込み行為」については、以下の記事を参照してください。
2.2 トラブルを防ぐための対策
- 媒介契約の種類を理解した上で、自分に合ったものを選ぶ
- 媒介手数料の内容を詳しく確認する
- 複数の不動産会社を比較検討する
- 囲い込み行為に注意する
媒介契約には3つの類型があります。この点をまず押さえてください。
具体的には、以下のような点に注意しましょう。
- 媒介契約には、専属媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類がある
- 媒介手数料は、不動産会社によって異なる
- 契約期間は、長ければ長いほど有利とは限らない
- 複数の不動産会社を比較検討することで、より良い条件で売却できる可能性が高まる
- 囲い込み行為は、違法行為である
3. 売買契約解除に関するトラブル
不動産売買契約は、一定の期間、売主・買主の双方から解除することができます。この点を押さえておき、契約締結プロセスを慎重にすすめる必要があります。
その他契約解除に関する知識を整理しておかないと、思わぬトラブルにつながります。
売買契約そのものについての注意点は、以下の記事で解説しています。
3.1 よくあるトラブル事例
- ローン特約の期限内にローン審査に通らなかった
- 契約内容に誤りがあった
- 売主が契約解除に応じない
- 手付金を返還してもらえない
3.2 トラブルを防ぐための対策
- ローン特約の期限を余裕を持って設定する
- 契約内容は慎重に確認する
- 不明点は契約前に解消する
- トラブル発生時は、早めに専門家に相談する
具体的には、以下のような点に注意しましょう。
- ローン特約は必ず余裕を持って設定し、延長の方法を契約書に盛り込む
- 契約内容は、専門家に確認してもらう
- 契約書は、双方署名・捺印の上、保管する
- トラブル発生時は、速やかに弁護士などの専門家に相談する
一般に、弁護士の法律相談は30分5000円程度で受け付けてくれるケースが多く、比較的気軽に利用できます。
その他、不動産売却時に注意すべき点
- 不動産会社選びは慎重に行う
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 相場を把握する
- 必要書類を事前に準備する
これらの点に注意することで、トラブルを未然に防ぎ、安心して不動産売却を進めることができます。