元不動産屋日記

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不動産売買契約書の注意点②売主・買主向けのポイント

はじめに

不動産売買は人生の中でも大きなイベントの一つです。しかし、その手続きは複雑で、多くの書類が必要となります。特に、不動産売買契約書は、売主と買主にとって最も重要な書類の一つであり、内容をしっかりと理解しておくことが重要です。

本記事では、不動産売買契約書の注意点について、売主・買主双方にとって役立つ情報を網羅的に解説します。

1. 契約書の内容を隅々まで確認する

当たり前ですが非常に重要なポイントです。また、意外にも多くの人が、しっかりと契約書の内容を確認していません。

不動産売買契約書は、売主と買主の権利義務を定めた重要な書類です。内容をしっかりと理解していないまま契約してしまうと、トラブルに繋がる可能性があります。

また一般に、不動産仲介業者は契約書・重要事項説明書をギリギリに売主・買主に手渡す傾向があります。

それでは内容を確認する時間がないので、最低限「契約の2~3日前に書類(下書きでも可)を見せてください」とクギをさしておいてください

契約書の内容を確認する際には、以下の点に特に注意しましょう。

  • 物件情報: 物件の住所、面積、築年数、構造、設備、権利関係など、物件に関する情報が正確であることを確認しましょう。
  • 売買代金: 売買代金の金額、支払い方法、支払い期日などを確認しましょう。
  • 引き渡し時期: 物件の引き渡し時期、鍵の引き渡し方法などを確認しましょう。
  • 瑕疵担保責任: 物件に瑕疵があった場合の責任範囲、修理費用負担などを確認しましょう。
  • 特約事項: ローン特約、解約特約、その他特約事項の内容を確認しましょう。

契約書の内容について疑問点があれば、必ず書類を作成した宅建士に確認してください。

また以下の記事も参考になります。

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2. 重要事項説明書を確認する

重要事項説明書は、不動産売買契約書と並んで重要な書類です。契約書の内容を理解する上で、重要事項説明書はしっかりと理解する必要があります。

重要事項説明書を確認する際には、以下の点に特に注意しましょう。

  • 物件の法規制**に関する事項: 都市計画区域用途地域建蔽率容積率などの法規制に関する事項を確認しましょう。
  • 物件の過去の状況**に関する事項: 修繕履歴、事故歴、火災歴などの物件の過去の状況に関する事項を確認しましょう。
  • 物件の周辺環境**に関する事項: 騒音、振動、臭気などの物件の周辺環境に関する事項を確認しましょう。

重要事項説明書の内容を理解した上で、契約書に署名・捺印しましょう。

3. 契約書に署名・捺印する前に、必ず内容を確認する

契約書に署名・捺印する前に、必ず内容をもう一度確認しましょう。内容に間違いや疑問点があれば、修正してもらうようにしましょう。

特に、以下の点に注意して確認しましょう。

  • 自分の氏名、住所、電話番号などの情報が正確であること
  • 物件情報、売買代金、引き渡し時期などの情報が正確であること
  • 瑕疵担保責任の内容が納得できるものであること
  • 特約事項の内容が納得できるものであること

契約書に署名・捺印してしまうと、内容を変更することは難しくなりますので、十分に注意しましょう。

4. 契約書の写しを保管する

契約書の写しは、必ず保管しておきましょう。契約後にトラブルが発生した場合、契約書の写しが証拠となります。

契約書の写しは、安全な場所に保管しておきましょう。

5. 不明な点があれば、専門家に相談する

不動産売買契約書の内容は複雑で、理解するのが難しい場合があります。

**契約書の内容について疑問点があれば、**弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

専門家は、契約書の内容を客観的に判断し、適切なアドバイスをすることができます。

よくある質問

Q. 契約の場所はどこで行いますか?

A. 契約の場所は、売主と買主の合意によって決まります。一般的には、以下の場所で契約書を作成することが多いです。

  • 仲介業者の事務所: 不動産売買の仲介を依頼している場合は、仲介業者の事務所で契約書を作成します。宅地建物取引業法に定められています。
  • 売主または買主の自宅: 売主または買主の自宅で契約書を作成することも可能です。

場所が決まったら、仲介業者、金融機関、売主、買主間で日程を調整しましょう。通常は仲介業者がその段取りをしてくれます。

Q. 契約書作成にはどれくらいの時間がかかりますか?

A. 契約書作成にかかる時間は、契約書の内容によって異なります。調査にかかる時間などを含めると数日かかることが多いでしょう。

しかし一般的に、仲介業者は必要な不動産調査を事前にすませていますから、通常は数時間あれば作成できます。

**契約書の内容が複雑な場合は、数週間かかる場合もあります。

まとめ

不動産売買契約書は、売主と買主にとって非常に重要な書類です。

契約書の内容をしっかりと理解し、慎重に確認してから署名・捺印するようにしましょう。

契約書の内容について疑問点があれば、専門家に相談しましょう。